~東北大学(理系)に現役合格するための具体的戦略~
※当ブログは「うちの息子(娘)結構賢いほうだと思うんだけど、東北大入るためにはどんな勉強したらいいんだろう。・・東北大入試ってどれくらいのレベルなんだろう・・・」
とお悩みの保護者の方、あるいは東北大(理系)に入りたいとガチで考えている酒田市近郊にお住まいの現役高校生の皆さんのために、バブル期の「受験戦争」を戦い抜いてきた現役の受験屋が書いています。参考になれば幸いです。
【第1章:まずは敵を知る。】
①『試験概要』
さっそく東北大学に合格するためには試験で何割正解できればいいか見ていきしょう。 一般的に国立大学入試の場合、「センター試験」と呼ばれる「一次試験」と、各大学で行われる「二次試験」との合計得点で合否が決まります。
・・・・・んんっ、それは知っとるわいですか失礼。目標得点は学部によって微妙に(医学部医学科だけはかなり)違いますが、ここでは簡単のため、理学部と工学部(配点は両学部共通)に的を絞って紹介します。 ズバリ目標得点率は、 センター=80% 二次試験=55% てな感じです。 ではセンター75%くらいだと無理?・・・ではないです。二次試験で60%とれるなら、センターは74%くらいでもしっかり合格します。しかも二次試験で6割とるのは、めっちゃ至難の業ってこともないです。ではセンター85%くらいだと余裕?・・・でもないです。二次試験で50%くらいだとちょっと危険なにほひがします。センター85%の人が二次で半分もとれないなんて・・・普通にあります。 要するに何が言いたいかといいますと、これは旧帝国大学全般に言えることなんですが、完全な「二次試験勝負」なんですねこれが。
②『試験配点と理科選択』
「センター試験」・・ 国200数200英200理200社100の計900点 を半分に圧縮
国 数ⅠA 数ⅡB 英
100 50 50 100
物理 化学 社会
50 50 50 計 450
「二次試験」 数学 物理 化学 英語
300 150 150 200
計 800
ん、理科は物理、化学、生物の3つから2科目選択のはずなのに物理化学限定?ここでは理科2科目を物理と化学に限定します。そもそも工学部は物理・化学必須です。
一般的な高校生は化学必須で、物理か生物のどちらかを選択、だと思いますが、筆者的に物理がおすすめ。なぜなら高得点が狙えるから。暗記量少ないから。問題文読んで、何の式が成り立つか判断するだけですから。ただし、一度選択するとやっぱムズいからやーめたとかはできませんから、「物理基礎」「生物基礎」を習った感触をふまえて決めるしかないですかね。
③『何点取れば受かるの?』
センターと二次の合計は1250点。ここでは合格点を810点とみて話を進めます。実際はもうちょっと少ない点数でも合格する可能性十分ありますが、まず間違いなく合格できる、なるべく少ない得点という観点で。あくまでも東北大学理学部と工学部なら、という前提です。
合計1250点中、数学、理科、英語の配点は・・・計1100点だと!?
だったら国語とか社会とか、わりとどうでもいいんじゃ・・・・・・と思いますよね普通。私もそう思います。古文の細かい品詞分解作業とか、わりとどうでもいいです。あくまでも東北大学理系(医学部以外)に合格するためだけなら、という話ですけど。それは学問の本質からはずれてるんじゃ・・・と言う意見はごもっともですが、ここでは東北大理系現役合格、ただそれだけを考えて論を展開していきます。
④『二次試験について』
二次試験の中身を軽く説明しますと、数学なら大問6つ、物理、化学ならそれぞれ大問が3つあります。つまり二次試験の数学、理科において、「大問一つあたりの配点は50点」となります。
・・・ええっ、二次試験の数学、理科の「大問一つの配点」が「センター古文漢文の合計配点」と同じだと!?そうなんです。センターでちょっとやらかしたくらいはさほど気にしなくていいんです。
例えば化学の大問③には一般的にレベルが高いとされる有機化合物の構造決定問題がでるんですが、トレーニング次第でこの大問、普通に満点狙えます。センターにおけるうっかりがさくっと取り返せておつりきます。 さらにさらに、東北大学の問題って、めっちゃ良問なんですよこれが。小手先だけの勉強してきた人には簡単に点とらせねえよ的な感じなんですが、高校3年間ガチで勉強してきた人には門戸開放しますよ感が半端ないです。まさにオーソドックス。
問題作成者が、そして大学側が、どのような学生を欲しているのか、ビンビン伝わってきますね。どうせ誰も解けねえだろ的な上から目線っぽい試験問題は皆無に等しい。
⑤『具体的かつ現実的な目標得点』
「センター試験」 国 数ⅠA 数ⅡB 英 140 85 75 170
物 化 社会
90 90 60
計710/900
↓半分に圧縮されて
国 数 英
70 (ⅠAⅡB合計)80 85 物 化 社会
45 45 30
計355/450(79%)
「二次試験」
数 物 化 英 150 90 105 110 (50%) (60%) (70%) (55%) 計455/800 (57%)
総合計810/1250
以上が約18年ほど受験屋を生業とし、実際に東北大の数学、物理、化学の試験問題を長年に渡り解きまくってきた筆者が考える、比較的達成しやすい合格モデルとなります。上記は数学がさほどガチ勢ではない人で、最小限の努力による合格を想定したものです。もちろん人によっては、いやセンター数学とか余裕で満点っしょとか、英語は神ですからもっといけますとかあると思います。とにかく合計得点が目標に達していればOKです。 筆者が指導した生徒の中には、センター国語200点満点中わずか88点だったにもかかわらず、普通に一般入試前期で東北大理学部数学科現役合格を果たした人もいます。ただし、ひとつこれだけは言っておきたいんですが、例え数学が得意科目だとしても、数学に過度な期待をした得点プランはかなりのリスクを伴います。一般的に、試験本番で最も得点がぶれやすい教科が数学といっていいでしょう。試験本番当日、仮に数学で思うように点が取れなかったとしても物理、化学、英語で十分カバーできる得点プランを考えるべきです。 ここで言う「最小限の努力による合格」とは、高3の部活が終わってからようやく本気で勉強し始めたとかそういうぬるい人を対象にしているのではなく、高校入学時から、あるいはもっと前から、目標を東北大理系現役合格一本に絞り、効率よくそれなりの勉強をしてきた人がつかむ栄光、という意味合いです。 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。 次回第2章では、「センター試験と二次試験のレベル」について書いていきます。
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